白紙法のやり方|何を書けばいいか分からない人向け
勉強しているのに、なかなか覚えられない。
教科書を読んだ。ノートも見た。ワークも解いた。
それなのに、テストになると出てこない。
こういう経験は、小学生・中学生にはかなり多いです。
その原因の一つは、勉強が「見ているだけ」で終わっていることです。
教科書を読む。
ノートを眺める。
赤シートで隠す。
解説を見て分かった気になる。
これらは全部、勉強の入口としては大事です。
ただし、それだけでは「本当に覚えているか」は分かりません。
そこで使えるのが、白紙法です。
白紙法とは、教科書やワークを見たあとに、何も見ずに覚えていることを白紙に書き出す勉強法です。
ただし、ここで一つ注意があります。
白紙法は、いきなり「教科書を要約しなさい」「大事なところをまとめなさい」と言われてできるものではありません。
特に小学生・中学生の場合、
- どこが大事なのか
- 何分見ればいいのか
- 何を書けばいいのか
- 書けなかったあと、どう直せばいいのか
こうしたことを自分で判断するのはかなり難しいです。
だから、とだ塾では白紙法を、もっと小さく分けて考えます。
まずは、この型で十分です。
3分見る。
2分で書く。
1分で確認する。
白紙法は、きれいなノートを作る勉強ではありません。
「見た直後に、どれだけ思い出せるか」を確認する小テストです。
白紙法とは?
白紙法とは、何も書かれていない紙に、覚えている内容を書き出す勉強法です。
流れだけ見ると、とてもシンプルです。
- 教科書やワークを見る
- いったん閉じる
- 白紙に覚えていることを書く
- 元のページと比べる
- 書けなかったところをもう一度覚える
これだけです。
ただ、この説明だけだと、勉強が得意な子には伝わっても、勉強が苦手な子には少し難しいです。
なぜなら、「覚えていることを書きなさい」と言われても、何を書けばいいのか分からないからです。
たとえば理科なら、語句を書くのか、図を書くのか、説明を書くのか、公式を書くのか。
社会なら、人物名を書くのか、年号を書くのか、出来事の流れを書くのか。
英語なら、単語を書くのか、文法の形を書くのか、例文を書くのか。
ここが決まっていないと、白紙を前にして手が止まります。
そして、手が止まった子はこう思います。
「自分には白紙法は向いていない」
でも、本当はそうではありません。
向いていないのではなく、始め方が大きすぎるだけです。
白紙法は「要約」ではなく「思い出す練習」
白紙法を説明するときに、「勉強した内容を要約しましょう」と言われることがあります。
ただし、小中学生にとって、要約はかなり難しい作業です。
要約するためには、
- どこが重要かを選ぶ
- 必要ない情報を削る
- 自分の言葉で短く言い換える
- 全体のつながりを整理する
こういった力が必要です。
つまり、要約はかなり高度な勉強です。
だから、最初から白紙法を「要約する勉強」と考えない方がいいです。
とくに勉強が苦手な子の場合は、白紙法をこう考えます。
見たものを、見ずにもう一度出せるかを試す。
これで十分です。
最初は、自分の言葉でまとめなくても構いません。
- 教科書の太字を思い出す
- 表の項目を思い出す
- 例題の手順を思い出す
- 図の名前を思い出す
- 公式の形を思い出す
まずは、見たものをそのまま再現するところから始めます。
「自分でまとめる」のは、そのあとで大丈夫です。
小中学生は、最初から自分で勉強を設計できない
白紙法で失敗する子の多くは、やる気がないわけではありません。
やることが大きすぎるだけです。
たとえば、いきなりこう言われたらどうでしょうか。
「教科書を読んで、大事なところを白紙にまとめなさい」
これは、かなり難しい指示です。
なぜなら、この一文の中には、実はたくさんの判断が入っているからです。
- 教科書のどこを見るのか
- 何分見るのか
- 何を大事と判断するのか
- どれくらい書けばいいのか
- 書けなかったところをどう直すのか
- 次に何をするのか
これらを全部自分で決める必要があります。
勉強が得意な子は、ある程度これができます。
でも、勉強が苦手な子や、まだ勉強の型が身についていない子にとっては、ここが一番難しいです。
だから、とだ塾では白紙法を「自分で全部考える方法」としては扱いません。
最初は、時間も範囲も書く内容も小さく決めることが大切です。
大事なのは、本人のやる気に任せることではありません。
「何をすればいいか分からない状態」を減らすことです。
まずは「3分見る→2分書く→1分確認」から
白紙法の最初の型は、これで十分です。
3分見る → 2分書く → 1分確認する
合計6分です。
長時間やる必要はありません。
むしろ、最初から長くやると失敗しやすいです。
大事なのは、短い時間で「覚えたかどうか」を確認することです。
1. 3分見る
まず、教科書やポイントのまとまったページを3分だけ見ます。
このとき、範囲を広げすぎないことが大事です。
最初は、教科書1ページでも多いことがあります。
その場合は、半ページでも構いません。
- 理科なら、図1つ
- 社会なら、見出し1つ
- 英語なら、文法ルール1つ
- 数学なら、例題1問
このくらいで始めます。
「今日はここだけ」と範囲を決めます。
2. 2分で書く
次に、教科書を閉じて、2分で覚えていることを書きます。
このとき、きれいに書く必要はありません。
文章になっていなくても構いません。
- 単語だけでもいい
- 矢印だけでもいい
- 図の一部だけでもいい
- 公式だけでもいい
- 例題の手順だけでもいい
大事なのは、頭の中から出すことです。
白紙法は、ノート提出用のきれいなまとめではありません。
自分の頭の中に何が残っているかを見るための紙です。
3. 1分で確認する
最後に、元のページと見比べます。
ここで大事なのは、単に丸つけをすることではありません。
「何が抜けたか」を見ることです。
- 太字語句が抜けた
- 図の名前が抜けた
- 原因と結果のつながりが抜けた
- 公式の単位が抜けた
- 例題の途中式が抜けた
こういう抜けを見つけます。
そして、抜けたところを赤で書き足します。
この時点で、白紙は汚くなっていて構いません。
むしろ、汚くていいです。
白紙法の目的は、きれいな紙を作ることではなく、覚えていない場所を見つけることだからです。
白紙法で何を書けばいい?
「白紙法がいい」と言われても、多くの子はここで止まります。
何を書けばいいのか分からないからです。
そこで、最初は教科ごとに書くものを決めておきます。
英語の場合
英語では、文法の形を再現するのがおすすめです。
たとえば、不定詞なら、
- to+動詞の原形
- 名詞的用法
- 形容詞的用法
- 副詞的用法
- 例文
このように、文法の形と使い方を書きます。
最初から長い説明を書かなくて構いません。
「形」と「意味」が出てくれば、まずは十分です。
社会の場合
社会では、語句だけでなく流れも大事です。
ただし、いきなり流れを説明するのは難しいです。
最初は、
- 人物
- 出来事
- 場所
- 時代
- 原因
- 結果
のように、項目を決めて書きます。
たとえば歴史なら、
誰が、何をして、その結果どうなったか。
これを短く書ければ十分です。
理科の場合
理科では、語句・図・仕組みをセットで覚えることが大事です。
ただし、「仕組みを説明しなさい」は難しいです。
最初は、
- 語句
- 図
- 矢印
- 公式
- 単位
を白紙に出すところから始めます。
たとえば植物の単元なら、葉・茎・根の名前だけでなく、どこで何が行われるかを矢印で書きます。
電流なら、公式と単位を書きます。
化学なら、物質名や反応の流れを書きます。
数学の場合
数学では、公式だけを覚えても点につながりにくいです。
例題の解き方を再現することが大事です。
ただし、これも最初から自分で考える必要はありません。
まずは、解説を見ながら、
- 1行目に何を書くか
- 次に何を変形するか
- どこで公式を使うか
- 最後に何を答えるか
を確認します。
そのあと、解説を閉じて、同じ流れを白紙に再現します。
数学の白紙法は、「解法の流れをもう一度書けるか」を確認する勉強です。
書けなかったときは失敗ではない
白紙法をすると、書けないところが必ず出てきます。
ここで落ち込む必要はありません。
書けなかったところが見つかった時点で、白紙法は成功です。
なぜなら、そこが「まだ覚えていない場所」だからです。
むしろ危ないのは、教科書を見ながら「分かった気になる」ことです。
- 見ていると分かる
- 解説を読むと分かる
- 答えを見ると分かる
でも、何も見ずに書こうとすると出てこない。
この状態は、テスト本番では点につながりにくいです。
白紙法は、この「覚えたつもり」を早めに見つけるための方法です。
白紙法ができない子には、お手本を用意する
勉強が苦手な子に、いきなり白紙を渡してもうまくいかないことがあります。
その場合は、完全な白紙から始める必要はありません。
とだ塾では、必要に応じて、お手本になるマインドマップやフローチャートを使います。
最初は、そのお手本を見ます。
次に、隠して復元します。
そして、抜けたところを確認します。
つまり、いきなり「自由に書く」のではなく、「お手本を再現する」ところから始めます。
これはかなり大事です。
なぜなら、勉強が苦手な子は、何を書けばいいかだけでなく、どう並べればいいかも分からないからです。
だから、最初は型が必要です。
白紙法は、完全に自由な勉強ではありません。
最初は、型を見て、型をまねして、少しずつ自分で書ける範囲を増やしていく勉強です。
歴史の重要な出来事を時系列で整理したフローチャート

英文法のルールを体系的にまとめたフローチャート

一問一答と組み合わせて使う例
白紙法は、一問一答と組み合わせても使えます。
まず一問一答で語句を確認し、そのあと、同じ範囲を白紙に書き出します。
白紙法でお手本にするマインドマップ例

白紙法と学校ワークの組み合わせ方
白紙法は、学校ワークの前後に使うと効果的です。
おすすめは、この順番です。
- 教科書やまとめページを短く見る
- 白紙に覚えていることを書く
- 学校ワークを解く
- 間違えた問題のポイントをもう一度白紙に書く
学校ワークをいきなり解いても、そもそも語句や公式が出てこない場合があります。
その状態でワークを進めても、答えを写すだけになりがちです。
先に白紙法で最低限の語句や手順を出してから、ワークに入る。
これだけでも、学校ワークの進み方は変わります。
また、ワークで間違えた問題も、そのまま解き直すだけで終わらせない方がいいです。
なぜ間違えたかを長く分析できなくても構いません。
まずは、
- 使う公式
- 覚える語句
- 解き方の1行目
- 間違えた選択肢の理由
などを白紙に書き出します。
これで、ただの丸つけよりも復習の質が上がります。
白紙法を続けるコツ
白紙法を続けるコツは、最初から大きくやらないことです。
教科書何ページ分もやろうとしなくていいです。
1ページ全部をまとめようとしなくていいです。
完璧な文章で説明しようとしなくていいです。
最初は、3分見て、2分書いて、1分確認する。
これを1セットだけやる。
それで十分です。
慣れてきたら、少しずつ範囲を広げます。
- 3分見る範囲を増やす
- 書く項目を増やす
- 説明を1文足す
- 翌日にもう一度書く
- テスト前にもう一度書く
このように、少しずつ負荷を上げていきます。
大事なのは、最初から「自分で勉強を設計する力」を求めすぎないことです。
小中学生にとって、時間を決めることも、範囲を決めることも、重要なところを選ぶことも、かなり難しい作業です。
だからこそ、最初は大人が設計してあげる必要があります。
まとめ:白紙法は、覚えたつもりを防ぐための勉強法
白紙法は、ただ白紙に書くだけの勉強ではありません。
本当に大事なのは、見ずに思い出すことです。
教科書を読んだだけでは、覚えたかどうかは分かりません。
ノートを眺めただけでも、覚えたかどうかは分かりません。
ワークの答えを見て分かった気になっても、テストで出せるとは限りません。
覚えているかどうかは、見ずに出してみて初めて分かります。
ただし、勉強が苦手な子に、いきなり「白紙にまとめなさい」と言ってもうまくいきません。
3分見る。
2分書く。
1分確認する。
このくらい小さく始めることが大切です。
とだ塾では、勉強のやり方そのものから一緒に整理します。
- 何を覚えるのか
- どこまで戻るのか
- 何を見て、何分で、何を書けばいいのか
- 学校ワークにどうつなげるのか
こうした部分まで決めていくことで、「何をすればいいか分からない状態」を減らしていきます。
白紙法は、勉強が得意な子だけの方法ではありません。
やり方を小さくすれば、勉強が苦手な子にも使える確認法になります。
勉強のやり方で止まっている方へ
とだ塾では、ただ問題を解くだけでなく、 「何を覚えるか」「どこまで戻るか」「どう確認するか」まで一緒に整理します。
神戸市須磨区・板宿駅近くで、定期テスト対策や学校ワークの進め方に悩んでいる方は、一度ご相談ください。