中学1年の数学で最初に学ぶ「正負の数」は、この先の文字式・方程式・関数まで続く土台です。ここで符号の扱いが曖昧なままだと、計算方法を覚えても途中で混乱しやすくなります。
この記事では、正の数・負の数の意味から、加法・減法・乗法・除法、よくある間違いまでを順に整理します。計算ルールを丸暗記する前に、「数直線のどちらへ動くのか」を確認するのがポイントです。
先に結論
正負の数で止まったら、符号のルールを増やすより、数直線・反対の数・絶対値の3つへ戻ります。加法と減法を区別し、乗除は別のルールとして整理すると混乱が減ります。
正の数と負の数とは
0より大きい数を正の数、0より小さい数を負の数といいます。たとえば、気温が0℃より3℃高ければ「+3℃」、0℃より2℃低ければ「-2℃」と表せます。
- 正の数:+1、+2.5、+10 など
- 負の数:-1、-2.5、-10 など
- 0:正の数でも負の数でもない
ふだん「5」と書く正の数は「+5」と同じです。正の符号「+」は省略できますが、負の符号「-」は省略できません。
数直線で大小を考える
数直線では、右にある数ほど大きく、左にある数ほど小さくなります。したがって、-2は-5より右にあるので、-2 > -5です。
負の数では、数字の部分が大きい方が小さくなることがあります。ここを「マイナスだから逆」とだけ覚えると崩れやすいため、迷ったら数直線上の位置に戻ります。
反対の数と絶対値
+4と-4のように、0から同じ距離で反対側にある数を、互いに反対の数と考えます。数の符号を取ったものが絶対値、という説明だけでは不十分です。絶対値は0からの距離です。
- |+4| = 4
- |-4| = 4
- |0| = 0
正負の数の足し算
同じ符号どうしの加法
同じ向きへ続けて進むと考えます。
- (+3) + (+2) = +5
- (-3) + (-2) = -5
同じ符号なら、絶対値を足して共通の符号を付けます。
異なる符号どうしの加法
(+7) + (-3) は、+7から左へ3進むので+4です。絶対値の大きい方から小さい方を引き、絶対値の大きい方の符号を付けます。
- (+7) + (-3) = +4
- (-7) + (+3) = -4
- (+5) + (-5) = 0
引き算は「反対の数を足す」に直す
減法は、引く数を反対の数に変えて加法へ直します。
- (+3) – (+5) = (+3) + (-5) = -2
- (+3) – (-5) = (+3) + (+5) = +8
「マイナスとマイナスでプラス」とだけ覚えると、加法・減法・乗法が混ざります。ここでは、引くことを、反対の数を足すことへ変えたので符号が変わっています。
掛け算・割り算の符号
乗法と除法では、2つの数の符号が同じなら答えは正、異なれば答えは負です。
- (+3) × (+4) = +12
- (-3) × (-4) = +12
- (+3) × (-4) = -12
- (-12) ÷ (+3) = -4
3個以上を掛けるときは、負の数の個数を数えます。負の数が偶数個なら正、奇数個なら負です。符号を決めてから数字の部分を計算すると整理しやすくなります。
よくある4つの間違い
1.-3と-5の大小を逆にする
数字だけを見るのではなく、数直線で右にある方が大きいと確認します。
2.引き算で最初の数まで変える
(+3)-(-5)で反対の数にするのは、引かれる+3ではなく、引く数-5です。
3.加法にも乗法の符号ルールを使う
(-7)+(+3)は、異符号だから負と即決するのではありません。絶対値の差を求め、大きい方の符号を使います。
4.累乗の括弧を見落とす
(-2)2=4ですが、-22=-(2×2)=-4です。どこまでを2乗するか、括弧を確認します。
どこまで戻ればよいか
正負の数の計算で何度も止まる場合は、いきなり複雑な四則混合計算を繰り返す必要はありません。次の順で短く確認します。
- 数直線上に正負の数を置ける
- 大小、反対の数、絶対値を説明できる
- 加法を数直線の移動として考えられる
- 減法を加法へ直せる
- 乗法・除法の符号を別に判断できる
- 四則混合で計算順序を守れる
できない場所が見つかったら、そこだけ2〜3問確認してから次へ進みます。最初から全部やり直すより、止まっている操作を一つに絞る方が進めやすいです。
確認問題
- -3と-8では、どちらが大きいですか。
- |-6|を求めてください。
- (-4)+(+9)を計算してください。
- (+2)-(-7)を計算してください。
- (-3)×(-5)を計算してください。
答えを確認する
- -3
- 6
- +5
- +9
- +15
次につながる単元
正負の数は、中1の文字式と一次方程式へそのままつながります。文字が入って難しく見えても、計算の土台は同じです。特に符号と減法が安定していると、移項を暗記だけに頼らず理解しやすくなります。
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