二次方程式
では、判別式
を使うと実数解の個数が分かります。
- D>0なら実数解は2個
- D=0なら実数解は1個
- D<0なら実数解は0個
この表だけを覚えることもできますが、理由は解の公式を見るとほぼ一行で分かります。
判別式は解の公式の「ルートの中」
二次方程式の解の公式は、
です。
判別式Dは、この根号の中身をそのまま取り出したものです。
つまりDは突然作られた別の公式ではなく、解の公式が実数として何個の値を持てるかを見るための部分です。
D>0なら±で2つに分かれる
D>0なら、√Dは0ではない正の実数です。
すると
と
は異なる値になります。
分母2aは同じなので、解は2つに分かれます。これが「D>0なら異なる2実数解」の理由です。
たとえばx²-5x+6=0ならD=25-24=1です。解の公式では±1が生まれ、x=2,3の2解になります。
D=0なら±が同じ値になる
D=0なら√D=0です。
すると
なので、±を書いていても同じ値しか出ません。
このとき解は
の1つです。二次方程式ではこれを重解と呼びます。
「2つあるはずの解が重なった」と考えると、グラフとのつながりも見えます。
D<0なら実数の範囲でルートが作れない
D<0では、√Dの中が負になります。
高校数学で実数解を考えている段階では、負の数の平方根は実数ではありません。そのため解の公式から実数のxを作れません。
したがって実数解は0個です。
複素数まで範囲を広げれば解は存在しますが、「実数解の個数」を判定する場面ではD<0を0個と判断します。
グラフで見ると「x軸との交点の個数」
二次方程式ax²+bx+c=0は、二次関数
でy=0になるxを探している、とも言えます。
y=0はx軸です。つまり方程式の実数解の個数は、放物線とx軸の交点の個数と同じです。
- D>0 → x軸と2点で交わる
- D=0 → 頂点などで1点だけ接する
- D<0 → x軸と交わらない
解の公式とグラフは別々の話ではなく、同じ現象を式と図で見ています。
頂点の位置ともつながる
平方完成すると、二次関数の頂点が見えます。a>0のとき、頂点のy座標が負ならx軸を2回横切り、0なら接し、正なら交わりません。
この考え方は平方完成はなぜするのかと直接つながります。
また、高校数学の「公式を理由から理解する」記事として0乗が1になる理由もあります。
頂点のy座標にもDが現れる
さらに平方完成すると、判別式がグラフの位置そのものに現れます。
=a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2-\frac{b^2-4ac}{4a}\]
となるので、頂点のy座標は
です。
たとえばa>0なら、D>0のとき頂点のy座標は負になり、放物線は一度x軸より下へ入るため2点で交わります。D=0なら頂点がx軸上、D<0なら頂点がx軸より上です。
つまり判別式は解の公式の根号部分であるだけでなく、放物線の頂点がx軸に対してどこにあるかを測る量でもあります。この二つの見方が一致するので、方程式と関数を別々に暗記せずにつなげられます。
確認問題
次の二次方程式の実数解の個数を、解を実際に求めず判定してください。
- x²-4x+3=0
- x²-4x+4=0
- x²-4x+5=0
Dを計算すると、
- D=16-12=4 → 2個
- D=16-16=0 → 1個
- D=16-20=-4 → 0個
です。
まとめ
判別式D=b²-4acで解の個数が分かるのは、Dが解の公式の根号部分だからです。
- 正なら√Dが正の実数になり、±で2解
- 0なら±が同じになり、1解
- 負なら実数の平方根が作れず、0解
さらに二次関数で見れば、x軸との交点の個数そのものです。判別式を暗記表としてではなく、解の公式とグラフをつなぐ情報として見ると忘れにくくなります。
この記事は文部科学省の高等学校学習指導要領・教科書関連資料で学習範囲を確認し、説明と例題は独自に作成しています。