判別式を勉強していると、\(\,D=b^2-4ac\,\)に加えて「D/4」という形が出てきます。「また公式が増えた」と感じる人もいますが、D/4は別の公式ではありません。bが偶数のとき、判別式全体を4で割って計算を軽くしているだけです。
D/4はどこから出てくる?
二次方程式\(\,ax^2+bx+c=0\,\)の判別式は、
です。これは解の公式のルートの中身で、Dの正負を見ることで実数解の個数を判定できます。
bが偶数なら、\(\,b=2k\,\)と書けます。すると、
となります。つまり、
DとD/4は4倍違うだけなので、正・0・負は変わりません。実数解の個数を判定する目的なら、どちらを使っても結果は同じです。
「bが偶数や。ラッキー」でいい
例えば、
を考えます。普通にDを計算すると、
です。一方、-14は偶数なのでD/4なら、
まで数字を小さくできます。
このときは、「bが偶数や。D/4使える。ラッキー」くらいに判断できれば十分です。D/4は覚える項目を増やすためではなく、計算を楽にするための道具です。
D/4を必ず使う必要はない
Dで問題なく計算できるなら、それでも構いません。因数分解ですぐ解ける式なら、そもそも判別式を使わない方が早いこともあります。
また、bが奇数なら無理にD/4を使う必要はありません。例えばb=5なら、b/2が分数になって、かえって計算が面倒になります。
数学では、因数分解・平方完成・解の公式・判別式など、同じ問題に複数の道具が使えることがあります。得意不得意もあるので、まず一つの方法を深く使えるようにして、その後で別解や便利な方法を増やす方がいいと考えています。
D/4とDは同じ数字ではない
注意したいのは、D/4はDそのものではないという点です。
解の個数を判定するときは符号が同じなので代用できますが、「判別式Dの値を求めよ」と聞かれてD/4=34まで出したなら、D=136です。何を求めている問題なのかは区別しましょう。
「また公式を覚えるの?」となったら
公式をただの文字列として覚えていると、新しい形が出るたびに暗記が一つ増えます。すると「なんでこれまで覚えなあかんの?」となりやすくなります。
でも公式は、本来便利だから覚えるものです。自分で式を作る、代入して確かめる、証明を追う、どんな場面で使うと楽なのかを見る。そうして学習すると、公式は単独の点ではなく、前後の学習と少しずつつながっていきます。
D/4も、「bが偶数だから2でくくれる。2乗すれば4が出る。もう一方にも4があるから全体を4で割れる」と見えれば、丸暗記する公式が一つ増えた感覚ではなくなります。
大学受験レベルまで数学を使うなら、このくらいの使い分けはできた方が計算は楽になります。ただ、D/4を覚えること自体が大きな負担になり、判別式を使う邪魔になるなら、無理に使わなくても構いません。その場合は、基本計算・因数分解・式の構造を見る力を先に鍛える方が大切です。
判別式そのものの意味が曖昧なら
Dが何を判別しているのか分からない場合は、先に「判別式で解の個数が分かるのはなぜ?」を確認すると、D/4も理解しやすくなります。
公式を「覚えるもの」だけで終わらせない
とだ塾では、公式の暗記量を増やすことだけを目的にはしていません。まず使える方法を深く身につけ、その後で「こっちの方が楽」と選べる道具を増やしていきます。
まとめ
- D/4は新しい公式ではなく、bが偶数のときにDを4で割って計算を軽くしたもの
- DとD/4は正・0・負が同じなので、実数解の個数判定にはどちらも使える
- bが偶数なら「D/4が使える、ラッキー」と考えればよい
- 覚えること自体が負担なら、まず基本計算や式を見る力を優先してよい