標本調査は、全体の一部を調べて全体の傾向を推定する方法です。計算だけでなく、選んだ一部が全体を偏りなく表しているかが重要です。
先に結論
調べたい全体を母集団、実際に取り出して調べる一部を標本といいます。標本は無作為に選び、標本で得た割合を母集団へ当てはめて推定します。
全数調査と標本調査
国勢調査のように全員・全部を調べるのが全数調査です。一方、製品の品質検査や世論調査のように、一部を調べるのが標本調査です。検査で製品を壊す場合や、全体が大きすぎる場合は標本調査が適します。
母集団と標本
ある学校の全生徒の睡眠時間を調べたいなら、全生徒が母集団です。その中から選んだ100人が標本、100人という数が標本の大きさです。
無作為抽出
昼休みに図書室へ来た生徒だけを調べると、読書習慣などに偏りが出る可能性があります。くじ、乱数、無作為に選ぶ仕組みを使い、特定の傾向を持つ人だけが選ばれないようにします。
割合から全体を推定する
800個の製品から無作為に80個を調べ、6個が不良品だったとします。標本の不良率は6/80=0.075です。全体では800×0.075=60個程度と推定します。これは確定値ではなく推定値です。
結果を読むときの注意
標本が小さすぎる、抽出方法が偏っている、質問文が誘導的である場合、計算が正しくても推定は信頼しにくくなります。「何人に聞いたか」だけでなく「どう選んだか」を見ます。
よくある間違い
- 母集団と標本を逆にする
- 標本の大きさを標本の値と混同する
- 無作為抽出を「適当に選ぶ」と考える
- 標本の割合をそのまま人数として答える
- 推定値を確定した個数として断定する
どこまで戻ればよいか
- 割合と百分率
- 分数・小数の変換
- 比例式
- 中1データの活用
- 中2箱ひげ図
割合や代表値で止まる場合は、中1「データの活用」へ戻ります。
確認問題
- 市内の中学生全体の意識調査で、市内の中学生全員を何というか。
- その中から無作為に選んだ300人を何というか。
- 5000人から200人を調べ、賛成が120人。全体の賛成者数を推定する。
- 駅前で通行人だけに聞く調査に考えられる問題点を答える。
答えを確認する
- 母集団
- 標本
- 約3000人
- 時間・場所を通る人に標本が偏る可能性
次につながる単元
標本調査は高校数学の統計的推測、ニュースやアンケート結果の読み取りにつながります。数字だけでなく、集め方まで見る習慣を作ります。
板宿・須磨区で中学数学の勉強を相談したい方へ
とだ塾では、問題数を増やす前に、どの操作で止まったかを確認します。できるところまで課題を下げ、見る場所を絞って練習します。