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正弦定理はなぜ成り立つ?|辺とsinの比が外接円の直径2Rになる理由

正弦定理で辺とsinの比が外接円の直径2Rになる理由を解説する高校数学の記事

正弦定理は、高校数学で次の形で出てきます。

\[\frac{a}{\sin A}=\frac{b}{\sin B}=\frac{c}{\sin C}=2R\]

式だけを見ると、「なぜ辺をsinで割るのか」「なぜ急に外接円の直径2Rが出てくるのか」が分かりにくい公式です。

この記事では、三角形の角と対辺の関係から出発して、正弦定理がなぜ成り立つのかを順番に整理します。

まず、角度そのものと辺の長さは比例しない

三角形ABCの内角を、A=50度、B=60度、C=70度としてみます。それぞれの角の対辺をa、b、cとします。

角が大きいほど、その対辺も長くなるので、長さの順位は

\[a<b<c\]

となります。

ただし、辺の長さは、角度そのものには比例しません。50:60:70という角度の比と、a:b:cという辺の比が一致するわけではありません。

実際に比例するのは、角度ではなく、その角の正弦(sin)です。

\[a:b:c=\sin A:\sin B:\sin C\]

sin(正弦)を直角三角形から確認する

直角三角形の鋭角について、斜辺と、その角の向かい側にある辺を考えます。

\[\sin\theta=\frac{\text{対辺}}{\text{斜辺}}\]

つまりsinは、角の大きさを「辺の比」に変換する値だと考えられます。

そのため、三角形の辺の比を角度と結びつけるとき、角度そのものではなくsinが現れます。

辺の比を整理すると正弦定理になる

辺の比とsinの比が等しいので、

\[\frac{a}{\sin A}=\frac{b}{\sin B}=\frac{c}{\sin C}\]

と書き換えられます。

さらに重要なのが、この共通の値が、その三角形の外接円の直径2Rに等しいということです。

\[\frac{a}{\sin A}=\frac{b}{\sin B}=\frac{c}{\sin C}=2R\]

ここが、正弦定理の一番不思議に見える部分です。

動画で確認|正弦定理はなぜ2Rになるのか

Instagramで正弦定理の解説動画を見る

直角三角形なら、2Rはすぐに見える

まず、角Aが90度の場合を考えます。

三角形ABCが外接円に内接していて、角Aが直角なら、Aの対辺BCは外接円の直径になります。したがって、

\[a=2R\]

また、\(\sin 90^\circ=1\)なので、

\[\frac{a}{\sin A}=\frac{2R}{1}=2R\]

となります。

直角三角形の場合は、正弦定理に出てくる2Rが、文字どおり対辺そのものとして現れます。

角Aが鋭角のときは、直径を引いて直角三角形を作る

次に、角Aが90度より小さい場合を考えます。

外接円上に点Dを取り、DCが直径になるように補助線を引きます。すると、直径DCに対する円周角は90度なので、三角形DBCは直角三角形になります。

また、角Aと角Dは、どちらも同じ弦BCに対する円周角なので等しくなります。

直角三角形DBCに注目すると、角Dの対辺はBC=a、斜辺は直径DC=2Rです。したがって、

\[\sin D=\frac{a}{2R}\]

そして角D=角Aなので、

\[\sin A=\frac{a}{2R}\]

これを整理すると、

\[\frac{a}{\sin A}=2R\]

が得られます。

直径を引くことで、斜辺が必ず2Rの直角三角形を作れる。これが、正弦定理に外接円の直径が出てくる理由です。

角Aが鈍角でも同じ結果になる

角Aが90度より大きい場合も、考え方はほぼ同じです。

直径を使って直角三角形を作ると、そこで現れる角はAそのものではなく、Aの補角になります。

しかし、

\[\sin(180^\circ-A)=\sin A\]

なので、鋭角の場合と同じように

\[\frac{a}{\sin A}=2R\]

が成り立ちます。

つまり、鋭角三角形・直角三角形・鈍角三角形のどの場合でも、辺をその対角のsinで割った値は外接円の直径になります。

正弦定理と余弦定理はどう使い分ける?

正弦定理と余弦定理は、どちらも三角形の辺と角を結びつける公式ですが、使いやすい条件が違います。

  • 正弦定理:辺とその対角の組が分かっているときに使いやすい
  • 余弦定理:2辺とその間の角、または3辺が分かっているときに使いやすい

正弦定理では「向かい合う辺と角」をセットで見ることが重要です。

公式だけを見て選ぶのではなく、問題文からどの辺とどの角が対応しているかを先に整理すると、使う公式を判断しやすくなります。

正弦定理で大切なのは「2Rを覚える」ことではない

正弦定理を

\[\frac{a}{\sin A}=\frac{b}{\sin B}=\frac{c}{\sin C}=2R\]

と丸ごと暗記するだけでも問題は解けます。

ただ、なぜ2Rなのかが分かっていれば、忘れたときにも図から戻れます。

  1. 外接円を描く
  2. 直径を引く
  3. 直角三角形を作る
  4. \(\sin\theta=\frac{\text{対辺}}{\text{斜辺}}\)を使う

この4段階で、斜辺が直径2Rになるから正弦定理の右辺も2Rになると復元できます。

公式を図から確認する数学学習

とだ塾では、公式をそのまま覚えるだけでなく、「どこから出てきたのか」「どの図を見れば戻れるのか」を確認しながら進めます。分かったつもりで止めず、次の問題で自分で使えるところまで確認します。

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まとめ

正弦定理のポイントは、次の3つです。

  • 辺の長さは、角度そのものではなく対角のsinに比例する
  • \(a:b:c=\sin A:\sin B:\sin C\) と表せる
  • 辺を対角のsinで割った値は、外接円の直径2Rになる

「なぜ2Rなのか」と思ったら、外接円に直径を引いて直角三角形を作るところまで戻ってみてください。

神戸市須磨区・板宿のとだ塾

数学で「公式は覚えたけれど、どの場面で使うか分からない」「途中の考え方から整理したい」という場合も、現在の理解を確認して必要なところまで戻ります。自分のペースで進めますが、分からないまま止まった状態にはしません。

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