展開と因数分解は逆向きの操作です。展開は括弧を外して和の形にし、因数分解は和の式を積の形へ戻します。公式の丸暗記より、分配法則を往復する関係を押さえます。
先に結論
展開ではすべての項を掛け、因数分解では最初に共通因数を探します。その後、x²+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)など、形に合う公式を選びます。
展開の基本
(x+2)(x+3)では、xと2を後ろのxと3へそれぞれ掛けます。x²+3x+2x+6=x²+5x+6です。四回の掛け算を一つも落とさないことが先です。
乗法公式
- (x+a)(x+b)=x²+(a+b)x+ab
- (x+a)²=x²+2ax+a²
- (x-a)²=x²-2ax+a²
- (x+a)(x-a)=x²-a²
公式は答えを覚えるだけでなく、どの項どうしの積が中央の項になるか確認します。(x-4)²の中央は-8xであり、-4xではありません。
因数分解の順番
- 全項に共通因数がないか見る
- x²の係数が1なら、和と積から二数を探す
- 平方の形か、平方差の形かを見る
- 展開して元に戻るか確かめる
x²+7x+12なら、和が7、積が12となる3と4を使い、(x+3)(x+4)です。3x²-12なら、先に3をくくって3(x²-4)=3(x+2)(x-2)です。
式の値を工夫する
99²は(100-1)²=10000-200+1=9801と計算できます。公式は文字式だけでなく、暗算しやすい数へ置き換える道具でもあります。
よくある間違い
- 展開で掛ける組を一つ落とす
- (x-a)²の中央項の符号を間違える
- 共通因数をくくらず終える
- 和と積を逆に探す
- 因数分解後に展開確認をしない
どこまで戻ればよいか
- 正負の数の乗法
- 同類項
- 分配法則
- 中2式の計算
- 乗法公式
符号や同類項で止まる場合は、中2「式の計算」へ戻ります。
確認問題
- (x+3)(x-5)を展開する。
- (2x-1)²を展開する。
- x²+9x+20を因数分解する。
- 4x²-36を因数分解する。
答えを確認する
- x²-2x-15
- 4x²-4x+1
- (x+4)(x+5)
- 4(x+3)(x-3)
次につながる単元
因数分解は二次方程式を解く中心手段です。平方根、二次関数、高校数学の式変形にもつながります。
板宿・須磨区で中学数学の勉強を相談したい方へ
とだ塾では、問題数を増やす前に、どの操作で止まったかを確認します。できるところまで課題を下げ、見る場所を絞って練習します。
展開と因数分解は、公式を使う前に形を見分ける
展開と因数分解で点が落ちる子は、公式を知らないのではなく、どの公式の形なのかを見分ける段階で止まることが多いです。
見る場所
- 共通因数があるか。
- a²-b² の形か。
- x²+□x+□ の形か。
- 符号がプラスかマイナスか。
いきなり計算を始めるより、まず「これは何の形か」を言わせます。言えない場合は、公式暗記ではなく形の分類へ戻します。
次につながる単元は二次方程式です。因数分解は、解くための道具として使えるところまで確認します。