立体図形の問題で、図を見ても「何をしたらいいのか分からない」となることがあります。
そんなとき、いきなり公式を探すより先に試してほしいのが、「この立体を、どの方向から見れば平面図形として考えられるか」を探すことです。
今回は、半球の形をした容器に正四角すいを沈める問題を例に考えます。
問題:半球に正四角すいを沈める
半球の形をした容器いっぱいに水を入れ、すべての辺の長さが6cmである正四角すいを静かに沈めます。底面と水面は平行で、水面と4本の側辺との交点は、それぞれの辺の中点です。
このとき、半球の半径を求めます。
答えだけなら計算できますが、この問題で大切なのは「半球と正四角すいがどこで接しているのかを、どう平面上に取り出すか」です。
立体図形では、まず「どこから見るか」を考える
正四角すいを正面から見ると、半球との接点は奥行き方向にずれています。そのため、見取り図のままでは半球の中心・接点・四角すいの高さの関係が見えにくくなります。
そこで、正四角すいの底面である正方形の対角線を含む平面で切断する方向から見ます。
すると、複雑に見えていた立体が、半円と三角形が重なった平面図形として扱えるようになります。
まず相似比を確認する
底面と水面は平行です。そのため、水面より上に出ている小さい正四角すいと、もとの正四角すいは相似です。
さらに水面は4本の側辺の中点を通っているので、もとの正四角すいと小さい正四角すいの相似比は2:1。もとの側辺が6cmなら、小さい正四角すいの対応する辺は3cmになります。
長さだけを見るのではなく、「平行な断面があるから相似になる」と捉えるのがポイントです。
底面の対角線は6√2cm
真上から見ると、底面は一辺6cmの正方形です。
正方形の対角線を三平方の定理で求めると、
√(6²+6²)=6√2cm
です。
対角線方向の断面では、この6√2cmが三角形の底辺になります。左右に二等分すると、中心から頂点までは3√2cmです。
正四角すいの高さも3√2cm
断面に現れる三角形を半分にすると、斜辺6cm、底辺3√2cmの直角三角形ができます。
したがって高さをhとすると、
h²+(3√2)²=6²
なので、
h=3√2cm
です。
ここでは底辺と高さが同じ3√2cmになるので、直角二等辺三角形になっていることに気づけば、計算をさらに減らせます。
水面より下の高さは3√2/2cm
水面は側辺の中点を通っています。小さい正四角すいとの相似比が1:2なので、高さも半分です。
したがって、水面から底面までの高さは、
3√2/2cm
となります。
最後に半球の半径を求める
対角線方向の断面を見ると、半球の中心から正四角すいの底面の頂点までが、求めたい半球の半径です。
この直角三角形の2辺は、
- 横:3√2cm
- 縦:3√2/2cm
です。
縦を1とすると横は2なので、辺の比は1:2:√5。短い辺3√2/2を√5倍すれば、斜辺である半径が求まります。
R=(3√2/2)×√5=3√10/2cm
よって、半球の半径は3√10/2cmです。
3Dで「見る方向」を動かして確認する
この問題は、完成した断面図だけを見るより、立体を実際に回して「正面からは接点が見えにくい」「対角線方向なら半径を含む断面が見える」という違いを確認する方が理解しやすいと思います。
とだ塾では、紙の図だけでは見えにくい立体について、必要に応じて3Dシミュレーションを補助として使っています。アプリそのものが主役ではなく、自分でどこを見るべきかを判断するための補助として使うのが目的です。
動画で確認
立体を「平面に落とす」練習をする
立体図形が苦手なとき、見取り図の中ですべてを処理しようとすると情報量が増えます。
今回なら、
- 半球と正四角すいがどこで接しているかを見る
- その接点と中心を含む方向を探す
- 正方形の対角線を含む平面で切る
- 半円と三角形の問題に変える
という順番です。
「どこで切れば、自分の知っている平面図形になるか」を考える習慣がつくと、空間図形の見え方はかなり変わります。
神戸市須磨区・板宿のとだ塾
図形の見方や、どこまで戻って学習すればよいか分からない場合も、現在の理解を確認しながら進めています。自分のペースで進めますが、分からないまま止まった状態にはしません。