高校数学で指数を整数から分数へ広げた瞬間、急に「aの2分の1乗は√aです」と言われて、暗記項目が増えたように感じる人は多いです。
でも、これは新しいルールを適当に追加したわけではありません。これまで使ってきた指数法則を、分数の指数でもそのまま使えるようにするために決まる形です。
結論から言えば、正の数aについて
とするのは、指数法則
を壊さないためです。
aの1/2乗を2回かけると何になる?
まず、指数法則が分数でも成り立つと考えてみます。
つまり、aの1/2乗という数を自分自身にかけるとaになります。
「2乗するとaになる数」は何でしょうか。
正の数の範囲で考えれば、それが√aです。
したがって
となります。
たとえば
です。なぜなら3を2回かけると9になるからです。
ここで重要なのは、「1/2という指数を見たらルートに書き換える」とだけ覚えるのではなく、分母の2が『何乗すると元に戻るか』を表していると見ることです。
1/3乗なら3乗根になる
同じ考え方で
です。
したがってaの1/3乗は、3乗するとaになる数です。
となります。
たとえば
です。2の3乗が8だからです。
これを見ると、指数の分母が根号の数字に対応している理由も分かります。
- 1/2乗 → 2乗根
- 1/3乗 → 3乗根
- 1/4乗 → 4乗根
という関係です。
aのm/n乗はどう考える?
では
はどうなるでしょうか。
指数法則を使えば
と考えられます。
そして
なので
です。
たとえば
なら、まず3乗根を考えます。
その2乗なので
となります。
逆に
と考えても同じ4になります。
「分子」と「分母」の役割を分ける
分数指数で混乱する場合は、指数
を一気に処理しない方が分かりやすいです。
分母nは根号、分子mは累乗と分けてください。
たとえば
なら、分母4を見ると4乗根です。
そのあと分子3の分だけ3乗して
となります。
この順序なら、式の意味を見失いにくくなります。
なぜ指数を分数まで広げるのか
高校数学では指数関数を扱うため、指数を整数だけに限定しているとグラフを連続的に考えにくくなります。
たとえば
という関数を考えるとき、xが1、2、3だけでなく、1.5や1/2などでも値を決めたいわけです。
文部科学省の高等学校学習指導要領でも、数学IIの指数関数・対数関数で、指数を正の整数から有理数へ拡張する意義と指数法則を扱うことが示されています。
つまり分数指数は、単なる計算テクニックではなく、指数関数を広く扱うための土台です。
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よくある間違い
1. 1/2乗を「半分にする」と考える
ではありません。
指数の1/2は、16を2で割るという意味ではありません。
です。
2. 分母と分子の役割を逆にする
で「2乗根を取って3乗」ではありません。
分母3が3乗根、分子2が2乗です。
3. 公式だけ覚えて指数法則とのつながりを失う
分数指数を忘れたら
まで戻れば、√aとの関係を再構成できます。
これが暗記量を減らす一番大きな利点です。
確認問題
次を計算してみてください。
- 25^(1/2)
- 27^(1/3)
- 27^(2/3)
- 16^(3/4)
- a^(1/5)を根号で表す
答えは次の通りです。
- 5
- 3
- 9
- 8
- 5乗根√a
3番なら、27の3乗根が3、その2乗で9です。
4番なら、16の4乗根が2、その3乗で8です。
まとめ
分数乗がルートになるのは、別々のルールが偶然一致しているからではありません。
指数法則を分数の指数まで自然に拡張すると、1/n乗はn乗根でなければならないという関係になります。
分数指数で迷ったら、「分母は根号、分子は累乗」と覚えるだけでなく、
という出発点まで戻ってみてください。
この記事は高校数学の学習内容の位置づけを確認するため、文部科学省の高等学校学習指導要領・解説を参照し、例題と説明は独自に作成しています。