高校数学・絶対値関数
絶対値関数はV字で見る|神戸女子大学の良問をグラフで解説
絶対値のついた関数は、場合分けだけでなく、グラフの形を見ると一気に整理できます。
問題
\(a\) を定数とする \(x\) の関数
\[ f(x)=3|x-a|+a^2-3a-4 \]
について、次の問いを考えます。
- \(y=f(x)\) のグラフが \(x\) 軸と共有点をもつとき、定数 \(a\) の値の範囲を求めよ。
- \(f(x)=0\) が2つの解をもち、さらに2つの解がともに正であるとき、定数 \(a\) の範囲を求めよ。
まず、どんなグラフかを整理する
絶対値の中身は \(x-a\) です。これが0になるのは、
\[ x-a=0 \] \[ x=a \]
つまり、\(x=a\) を境目にして関数の形が変わります。
場合分け
\(x\geqq a\) のとき、絶対値の中身はプラスなので、
\[ |x-a|=x-a \]
よって、
\[ f(x)=3(x-a)+a^2-3a-4 \] \[ =3x+a^2-6a-4 \]
\(x<a\) のとき、絶対値の中身はマイナスなので、
\[ |x-a|=-(x-a)=-x+a \]
よって、
\[ f(x)=3(-x+a)+a^2-3a-4 \] \[ =-3x+a^2-4 \]
ここで大切なのは、\(a\) は定数だということです。したがって、\(x\) について見ると、どちらも一次関数です。
つまり、この関数のグラフは、傾き \(-3\) の直線と傾き \(3\) の直線がつながった V字型のグラフ になります。
折れ曲がる点は \(x=a\) のときです。このとき、
\[ f(a)=a^2-3a-4 \]
なので、頂点は、
\[ (a,\ a^2-3a-4) \]
① \(x\) 軸と共有点をもつ条件
V字型のグラフが \(x\) 軸と共有点をもつには、グラフの一番低い点、つまり頂点が \(x\) 軸以下にあればよいです。
頂点の高さは \(a^2-3a-4\) なので、
\[ a^2-3a-4\leqq 0 \]
これを因数分解すると、
\[ (a+1)(a-4)\leqq 0 \]
放物線で見ると、\(-1\) から \(4\) までの間で0以下になります。
したがって、
\[ -1\leqq a\leqq 4 \]
② 2つの解があり、どちらも正である条件
次に、
\[ f(x)=0 \]
が2つの解をもち、さらに2つとも正である条件を考えます。
条件1:2つの解をもつ
V字のグラフが \(x\) 軸と2点で交わるには、頂点が \(x\) 軸より下にある必要があります。
先ほどは「共有点をもつ」だけだったので、接している場合もOKでした。しかし今回は「2つの解」なので、接している場合はアウトです。
よって、
\[ a^2-3a-4<0 \]
つまり、
\[ -1<a<4 \]
条件2:2つの解がともに正
2つの解がどちらも正になるには、左側の交点も0より右にある必要があります。
つまり、\(x=0\) のとき、グラフがまだ \(x\) 軸より上にあればよいです。
\[ f(0)>0 \]
最終的に残る範囲では \(0<a\) となるので、\(x=0\) は頂点より左側にあります。したがって、左側の式を使います。
\[ f(x)=-3x+a^2-4 \]
ここに \(x=0\) を代入すると、
\[ f(0)=-3\cdot 0+a^2-4 \] \[ =a^2-4 \]
これが0より大きければよいので、
\[ a^2-4>0 \]
因数分解すると、
\[ (a-2)(a+2)>0 \]
よって、
2つの条件を同時に満たす範囲
ここまでで出た条件は次の2つです。
条件1:
条件2:
この2つの共通範囲を取ると、
まとめ
この問題のポイントは、絶対値を見た瞬間に「場合分け」だけでなく、V字型のグラフ として見ることです。
- 絶対値の中身が0になる \(x=a\) で折れ曲がる
- 頂点は \((a,\ a^2-3a-4)\)
- \(x\) 軸と共有点をもつ条件は、頂点の高さが0以下
- 2つの解をもつ条件は、頂点の高さが0より下
- 2つの解がともに正になるには、左側の交点も0より右にあることを考える
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