まずは「ごとし」の形に気づく――覚える量を増やさない方法
このページの最初の目標は、訳や識別を一度に完成させることではありません。文章中で助動詞の形を見た瞬間に「あ、候補にあった」と気づくこと。とだ塾では「見つける → 識別する → 文を読む」と作業を分け、まず一つ目のハードルだけを低くします。
この助動詞のラクな覚え方:「ごとし」はク活用型。形容詞の「〜く・〜し・〜き・〜けれ」を借りて、「ごとく・ごとし・ごとき・ごとけれ」を一まとまりで覚える。「ごとき」を独立した単語と考えず、同じ「ごとし」の形として見つけられるようにする。
テンポゲームで既知の活用型に合わせて補った形は、前に覚えた知識との対応を見えるようにする足場です。古文で実際に使われる活用形を増やすためではありません。まず形をすぐ思い出せる状態を作り、接続や文脈を使った識別は別の練習で扱います。六つの欄を完璧に埋めること自体をゴールにせず、形が浮かぶようになったら本文読解へ進みましょう。
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次の段階|意味と識別・読解へ
「ごとし」は「〜のようだ」と訳せる、比況(たとえ)の助動詞です。意味は比較的つかみやすい一方で、直前の「の・が」をどこまで含めて考えるかで、文の切り分けを間違えることがあります。
たとえられている二つを探す
説明用の自作例文「月のごとし。」なら、「月のようだ」という比況です。「月」と、月にたとえられている対象を前の文から探します。訳語を覚えたあとに「何が何に似ているのか」を答えられると、読解に結び付きます。
接続は「名詞+の・が」などをまとめて見る
「ごとし」は連体形、また「名詞+の・が」の形で現れます。たとえば「夢のごとし」「鳥の飛ぶがごとし」のように、直前が名詞なのか、連体形になった動詞を含むまとまりなのかを調べます。教材の説明によっては「体言+の・が+ごとし」と「連体形+ごとし(間に『が』が省略された形)」を分けて整理します。
「鳥の飛ぶがごとし」は、鳥が飛ぶ様子にたとえている自作例文です。現代語訳で「鳥が飛ぶようだ」とするときにも、「の」を「が」に置き換えて訳していることを自覚しましょう。
「ごとき」は連体形
「夢のごとき話」は、「夢のような話」。「ごとき」は名詞「話」を修飾する連体形です。「ごとく」は連用形として、次の用言を修飾することがあります。まず「ごとし/ごとき/ごとく」の三形を自分で使い分けられるか確かめます。
「やうなり」との関係
「ごとし」「やうなり」はいずれも比況を表す場合があります。しかし「やうなり」は形容動詞型で、「ごとし」と活用が同じではありません。文章に出てきた語そのものを切り分けてから訳します。
確認問題
- 「花のごとし。」の「ごとし」の主な意味は?
- 「雲のごとき衣」の「ごとき」は何形?
- 「ごとく」の後ろに動詞が続く場合、何形として読むことがある?
とだ塾では語句を丸ごと「〜のようだ」と置く前に、比べられている二つの対象に印を付けます。「何が何のようなのか」が分かれば、文法と内容を一緒に確認できます。
比況を一文に言い直せるか
「夢のごとし」と訳せても、何が夢のようなのか答えられなければ内容理解は不十分です。前の一文を読み、「出来事は夢のようだ」「景色は夢のようだ」のように主語を補って言い直します。そこまでできたら「ごとき」がかかる名詞を見つけ、たとえの範囲を確定してください。
資料と教材について: 助動詞の接続・活用は埼玉県立春日部東高等学校「古典文法講座 第六回」を参照。本文の短文・確認問題はとだ塾が文法説明用に作成したもので、特定の古典作品からの引用ではありません。