まずは「めり」の形に気づく――覚える量を増やさない方法
このページの最初の目標は、訳や識別を一度に完成させることではありません。文章中で助動詞の形を見た瞬間に「あ、候補にあった」と気づくこと。とだ塾では「見つける → 識別する → 文を読む」と作業を分け、まず一つ目のハードルだけを低くします。
この助動詞のラクな覚え方:「めり」はラ変型の枠を利用する。「あり」の活用を知っていれば、「めり・めり・める・めれ」と並ぶことが分かる。「める」は別の助動詞ではなく「めり」の連体形。ゲームの補助形は型を示すためのもので、本文に出現する形として暗記しない。
テンポゲームで既知の活用型に合わせて補った形は、前に覚えた知識との対応を見えるようにする足場です。古文で実際に使われる活用形を増やすためではありません。まず形をすぐ思い出せる状態を作り、接続や文脈を使った識別は別の練習で扱います。六つの欄を完璧に埋めること自体をゴールにせず、形が浮かぶようになったら本文読解へ進みましょう。
今日の一問を確認する
読んだ助動詞を選び、活用を反復できます。画面内で操作できないときは下の通常リンクから開いてください。
次の段階|意味と識別・読解へ
「めり」は「〜ようだ」と訳すことが多い助動詞です。しかし、似た訳になる「らし」「なり」をすべて同じものとして覚えると、本文で何を手掛かりに判断しているかが見えなくなります。
「めり」は終止形接続、ただしラ変型には連体形
自作例文「遠くに灯見ゆめり。」では「見ゆ」が下二段動詞の終止形。「遠くに灯が見えるようだ」と、見えている様子から推定する文脈を想定できます。前の語がラ変動詞「あり」の場合は「あるめり」となり、連体形に接続します。
終止形「めり」だけを知っていると「見ゆめる人」で止まります。連体形「める」が名詞を修飾することを確認しましょう。
推定なら「何を見てそう思ったか」
教材用自作例文「山の端、明るくなりぬ。夜明くめり。」では、山の端が明るくなった様子が、夜明けを推定する手掛かりです。必ずしも「めり」の直前に「見る」が書かれるわけではありません。本文に示された観察・状況のどれを根拠にするか考えます。
婉曲は断定を和らげて伝える
「人の来るめる音」という自作の語句では、名詞を修飾するところに「める」があり、「人が来るような音」と、断定を避ける解釈が候補になります。連体形だから絶対に婉曲とするのではなく、聞こえた音が実際の足音なのか、比喩的な表現なのかまで読む必要があります。
これは判別の目安であり、三つの訳語が毎回異なるわけではありません。「なり」の二種類も合わせて確認しましょう。
確認問題
- 「雨降るめり。」の「降る」は何形?
- 「あるめり」の「ある」は何形?
- 「める」の活用形は?
とだ塾では「めり=〜ようだ」を書いて終わりにせず、推定の根拠を本文のどこから取ったかを一言で答える練習にします。
語尾だけでは三つの推定を決めない
「めり・らし・なり」を見分ける問題では、語尾を書き写しても読みは深まりません。最初に「何を見た?」「何を聞いた?」「どんな事実から判断した?」の三つを余白に書き、本文に答えがある項目だけを埋めます。本文に根拠がない場合は、候補を一つに無理に固定しないことも大切です。
資料と教材について: 助動詞の接続・活用は埼玉県立春日部東高等学校「古典文法講座 第六回」を参照。本文の短文・確認問題はとだ塾が文法説明用に作成したもので、特定の古典作品からの引用ではありません。