大学入試の並べ替え問題は、単語の意味だけではなく、「Oがする側なのか、される側なのか」まで見ないと並ばないことがあります。
今回は、関西学院大学の問題を一問解いてから、have O do と have O done の違いまで整理します。
先に結論|have O do と have O done の違い
判断するのは、have の後ろの O(目的語)と動詞の関係です。 O が動作をする側なら原形 do、O が動作をされる側なら過去分詞 done を使います。ここでの do と done は特定の動詞を表すものではなく、動詞の形を示す記号です。
have O do:O が動作する
I had a mechanic repair my car.
修理工が修理する → 修理工に車を修理してもらった。
have O done:O が動作を受ける
I had my car repaired.
車が修理される → 車を修理してもらった。
どちらも日本語では「修理してもらった」と訳せますが、前者の O は修理する人、後者の O は修理される車です。done は「過去形」ではなく「過去分詞」の代表形。なお have O done は、I had my wallet stolen.(財布を盗まれた)のように、依頼していない被害を表すこともあります。関学大の問題では、この見方で doctor と sent for の関係を確かめます。
すぐに彼のかかりつけの医者を呼びにやりなさい。 (関西学院大)
Have ________.
先に自分で並べてから、下の解説へ進んでみてください。
この問題のInstagram解説
スライドで見たい場合はこちらです。記事では、その下で文法の仕組みまで掘ります。
Have his family doctor sent for at once.
すぐに彼のかかりつけ医を呼ぶようにしなさい。
まず拾いたい3つのまとまり
send for a doctor なら「医者を呼ぶ」という意味です。今回の文では sent が過去分詞なので、
彼のかかりつけ医が呼ばれる
という受け身の関係を作れます。そこで Have + his family doctor + sent for + at once. と並びます。
have O doneは、まず「Oが〜される」と考える
have O done を最初から「Oを〜してもらう」と訳して覚えると、今回の文や後で出てくる被害表現で混乱しやすくなります。
先に見るべきなのは、日本語訳よりもOと過去分詞の関係です。
今回ならOは his family doctor、過去分詞は sent for。命令文なので、直訳感覚では「かかりつけ医が呼ばれた状態を実現しろ」となり、自然な日本語では「かかりつけ医を呼ぶようにしなさい」となります。
have O doとの違いは「Oがする側か、される側か」
同じ「車を修理してもらう」という出来事でも、英語では焦点の当て方を変えられます。
I had a mechanic repair my car.
私は修理工に車を修理してもらった。
a mechanic が repair する → have O do
I had my car repaired.
私は車を修理してもらった。
my car が repairされる → have O done
have O do:Oがする
have O done:Oがされる
「原形か過去分詞か」を訳で丸暗記するより、Oと後ろの動詞が能動関係か受動関係かを見る方が安定します。
I had my wallet stolen. はなぜ「盗んでもらった」ではないのか
have O done がややこしい最大の理由がここです。
I had my wallet stolen.
私は財布を盗まれた。
もちろん、誰かに頼んで財布を盗んでもらったわけではありません。それでも文の中では my wallet is stolen という受け身の関係になっています。
Cambridge Grammarの「Have something done」でも、have + object + 過去分詞 は、誰かに何かをしてもらう場合だけでなく、盗難など本人が引き起こしていない悪い出来事を経験する場合にも使われると説明されています。
つまり、have O done そのものに「〜してもらう」という日本語訳が固定されているわけではありません。まず「Oが〜される」という関係を捉えて、そのあとで文脈を見るのがポイントです。
なぜ Have his family doctor sent for. はまどろっこしく聞こえるのか
この英文が少し昔の映画のセリフのように聞こえるのは、実際に医者を呼ぶ動作主を明示していないからです。
主人 → 執事へ「医者が呼ばれるように手配しろ」
執事本人が呼んでもよいし、使用人へ指示してもよい。
Have his family doctor sent for at once. は、「あなた自身が医者へ連絡しなさい」と限定しているわけではありません。誰が実際に呼ぶかを文中では指定せず、医者が呼ばれるところまで実現することを求めています。
ただし、文法そのものが「主人→執事→女中」という多段階の指示系統を表しているわけではありません。
現代的には、状況によっては次のように直接言った方が分かりやすいでしょう。
- Send for his family doctor at once.
- Call his family doctor at once.
指示系統が増えすぎて、傍観者効果で誰も医者を呼ばない、という事態だけは避けたいところです。
入試での見抜き方は3段階
have の直後に何が置かれているかを見る。
するなら原形、されるなら過去分詞。
手配なのか、被害・経験なのかを最後に判断する。
今回ならOは his family doctor。doctorは send for する側ではなく、send for される側なので sent for と決められます。
まとめ
have O do → Oがする
have O done → Oがされる
そのうえで、have O done は文脈によって「〜してもらう」にも「〜される」にもなる。
難しい構文ほど、日本語訳を先に決めるのではなく、Oと動詞の関係を先に見る。大学受験英語ではこの見方がかなり役に立ちます。
参考:Cambridge Dictionary “Have something done” / Cambridge Dictionary “send for someone”