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原形不定詞はなぜ難しい?help・dare・needの特殊な使い方を例文で解説

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高校入試・英文法

原形不定詞はなぜ難しいのか
help / dare / need から考える「例外から入る文法」

英語を勉強していると、たまに「文法書では簡単そうに書かれているのに、実際にはかなり気持ち悪い文」に出会います。

その代表例が、help + 動詞の原形 です。

今回の英文

Salt has been used to help preserve food from perishing.

塩は、食物が腐るのを防いで保存するために使われてきた。

一見すると、それほど難しくなさそうに見えます。

しかし、ここには中学生・高校生がつまずきやすいポイントがいくつもあります。

特に問題になるのが、次の部分です。

help preserve food

食物を保存するのに役立つ

普通なら、動詞の前には to がついて、to preserve となりそうです。

ところがここでは、help preserve となっています。

つまり、help の後ろに動詞の原形 preserve がそのまま置かれているわけです。

これがいわゆる 原形不定詞 です。

まず英文全体を分解する

今回の英文は、大きく分けると次の2つに分かれます。

Salt has been used

塩は使われてきた

to help preserve food from perishing

食物が腐るのを防いで保存するのに役立てるために

つまり、

塩は使われてきた。

何のために?

食物を保存するのに役立てるために。

ここで to help preserve food は、has been used を説明しています。

文法的には、不定詞の副詞的用法です。

help preserve food はどう考えるか

問題は help preserve food です。

直訳すると、

食物を保存するのを助ける

となります。

ただし、この help は普通の「人を助ける」とは少し違います。

例えば、次の文なら分かりやすいです。

She helped me carry the box.

彼女は私が箱を運ぶのを手伝ってくれた。

この場合は、mecarry します。

つまり、

help + 人 + 動詞の原形

人が、その後ろの動詞の動作をする

という関係がはっきり見えます。

ところが今回の文は、

help preserve food

であって、

help people preserve food

ではありません。

だから、生徒はここで迷います。

  • 誰を助けているのか?
  • 誰が preserve しているのか?
  • 塩が保存しているのか?
  • 人間が塩を使って保存しているのか?

これはかなり自然な疑問です。

この help は「〜するのに役立つ」

今回の help は、

人を助ける

というより、

  • 〜するのに役立つ
  • 〜を促進する
  • 〜に貢献する

という意味です。

例えば、次のように使います。

This medicine helps reduce fever.

この薬は熱を下げるのに役立つ。

Exercise helps prevent disease.

運動は病気を予防するのに役立つ。

Reading helps improve vocabulary.

読書は語彙力を伸ばすのに役立つ。

このとき、薬や運動や読書が「誰かを助けている」というより、

薬が「熱を下げる」という結果に役立つ。

運動が「病気を予防する」という結果に役立つ。

読書が「語彙力を伸ばす」という結果に役立つ。

と考えます。

同じように、

Salt helps preserve food.

塩は食物を保存するのに役立つ。

となります。

「help の目的語に人が隠れている」と考えていいのか

今回の文は受け身です。

Salt has been used to help preserve food.

これを能動態に戻すと、次のように考えられます。

People have used salt to help preserve food.

人々は、食物を保存するのに役立てるために塩を使ってきた。

つまり、実際に塩を使ってきたのは人間です。

また、実際に食物を保存しようとしているのも人間です。

だから意味の上では、

  • 人々が塩を使う
  • 人々が食物を保存する
  • 塩がその保存に役立つ

という関係です。

ただし、文法的に、

help の目的語 people が省略されている

と説明するのは少し危険です。

なぜなら、実際の英文は help people preserve food ではなく、help preserve food だからです。

この場合は、

help + 動詞の原形

〜するのに役立つ

というまとまりとして見る方が安全です。

なぜ help は特殊なのか

help は、少し助動詞に近いような働きをすることがあります。

本物の助動詞なら、後ろに動詞の原形を置きます。

can preserve

will preserve

must preserve

help も、次のように後ろに動詞の原形を置くことがあります。

help preserve

help reduce

help prevent

help improve

ただし、help は完全な助動詞ではありません。

例えば疑問文では、次のように does が必要です。

Does salt help preserve food?

塩は食物を保存するのに役立ちますか。

また、三単現の s もつきます。

Salt helps preserve food.

つまり help は、正確には助動詞ではなく、

一般動詞のまま、助動詞っぽく後ろに動詞の原形をつなげることができる動詞

と考えるのがよいです。

原形不定詞は本来、make O do から入る方が分かりやすい

ここで問題になるのが、教える順番です。

原形不定詞と聞くと、本来はまず次の形を学ぶ方が分かりやすいです。

make O do

have O do

let O do

例えば、次の文を見ます。

My mother made me clean my room.

母は私に部屋を掃除させた。

ここでは、

me clean

という関係があります。

つまり、

clean するのは me

です。

知覚動詞も同じです。

I saw him cross the street.

私は彼が通りを渡るのを見た。

ここでも、

him cross

という関係があります。

つまり、

cross するのは him

です。

このように、使役動詞や知覚動詞では、

O が do する

という関係が見えるので、原形不定詞の導入としてはかなり分かりやすいです。

しかし help do はいきなり特殊すぎる

一方で、help preserve food は、かなり特殊です。

理由は3つあります。

1. 目的語が見えない

help me carry the box なら、me が見えます。

しかし、help preserve food では、人が出てきません。

2. preserve の主体が曖昧

食物を保存するのは人間とも言えます。

一方で、塩が保存作用を持つとも言えます。

このあたりが、初学者にはかなり分かりにくいです。

3. help の意味が薄まっている

普通の help は「人を助ける」です。

しかし、help preserve food では、

食物を保存するのに役立つ

という意味になります。

つまり、help はかなり準助動詞的な働きをしています。

だから、原形不定詞の導入として help から入るのは、少し気持ち悪いのです。

例えるなら、表を知らないまま裏から入るようなもの

文法には、まず見せるべき「表」の形があります。

原形不定詞でいえば、次のような形です。

make O do

see O do

これは O が do する という関係が見えます。

だから初学者にとって分かりやすいです。

一方で、help do は、かなり裏側の使い方です。

  • 目的語が見えない
  • 意味も「助ける」から「役立つ」にズレている
  • 主体も少し曖昧

だから、いきなりこれを見せられると、生徒は混乱します。

これは、子どもにまず分かりやすい作品を見せずに、いきなり大人向けの間やズレを理解しないと楽しめない作品を見せるようなものです。

表の型を知らないまま、裏の表現から入っている。

だから分かりにくいのです。

dare / need / help はどれも特殊

ここで、help と似たように「普通の動詞なのに助動詞っぽく見える」ものを整理しておきます。

代表は次の3つです。

dare

need

help

ただし、この3つは同じ特殊性ではありません。

dare の特殊性

dare は、

  • あえて〜する
  • 〜する勇気がある

という意味です。

普通の一般動詞として使うと、dare to do になります。

He dared to tell the truth.

彼はあえて真実を言った。彼は真実を言う勇気があった。

I didn’t dare to ask her.

私は彼女に尋ねる勇気がなかった。

この場合は普通の一般動詞なので、否定文では didn't を使います。

dare は助動詞っぽくも使える

一方で、dare は助動詞っぽく使われることがあります。

有名なのがこれです。

How dare you say that?

よくもそんなことが言えるな。そんなことを言うなんて失礼だ。

ここでは、

dare + 動詞の原形

になっています。

to say ではなく、say です。

また、疑問文なのに、

Do you dare to say that?

ではなく、

How dare you say that?

となっています。

つまり、dare が助動詞のように前に出ているわけです。

I dare not tell him the truth.

私は彼に真実を言う勇気がない。

ただし、これはかなり硬めです。

日常的には、次の方が普通です。

I don’t dare to tell him the truth.

dare O to do もある

dare には、もう1つ大事な形があります。

dare O to do

O に〜してみろと挑発する

I dare you to say that again.

もう一回言ってみろよ。

He dared me to jump into the river.

彼は私に川へ飛び込んでみろと言った。

ここでは to が必要です。

How dare you say that? では to なし。

I dare you to say that again. では to あり。

need の特殊性

need は、

必要とする

という意味です。

普通は一般動詞として使います。

You need to study harder.

あなたはもっと一生懸命勉強する必要がある。

You don’t need to worry.

心配する必要はない。

Do you need to leave now?

今出発する必要がありますか。

このように、普通は need to do で使います。

need は否定・疑問で助動詞っぽくなる

need は、助動詞っぽく使われることがあります。

ただし、基本的には否定文・疑問文です。

You need not worry.

心配する必要はない。

ここでは、

need not + 動詞の原形

になっています。

don't need to worry ではなく、need not worry です。

Need I say more?

これ以上言う必要があるか。もう分かるやろ。

ここでも、Need I say となっていて、助動詞のような語順になっています。

ただし、現代英語では need の助動詞型はやや硬めです。

普通は、次の方がよく使われます。

You don’t need to worry.

help の特殊性

help は、

助ける

という意味です。

普通は、次のように使います。

help + 人

help + 人 + to do

help + 人 + do

She helped me carry the box.

彼女は私が箱を運ぶのを手伝ってくれた。

ここでは me carry の関係があります。

つまり、carry するのは me です。

help は目的語なしで動詞の原形を取れる

help の特殊性はここです。

help は、目的語なしで、

help + 動詞の原形

を取ることがあります。

This medicine helps reduce fever.

この薬は熱を下げるのに役立つ。

Exercise helps prevent disease.

運動は病気を予防するのに役立つ。

Reading helps improve vocabulary.

読書は語彙力を伸ばすのに役立つ。

このとき help は、

人を助ける

というより、

  • 〜するのに役立つ
  • 〜を促進する
  • 〜に貢献する

という意味になります。

Salt helps preserve food.

塩は食物を保存するのに役立つ。

dare / need / help の違い

3つを表で整理します。

動詞 普通の使い方 助動詞っぽい使い方 注意点
dare dare to do How dare you do?
dare not do
助動詞型は疑問・否定・決まり文句寄り
need need to do need not do
Need I do?
助動詞型は基本的に否定・疑問
help help 人 do
help 人 to do
help do 肯定文でも普通に使う。「〜するのに役立つ」

特に重要なのは、help だけ少し違うという点です。

dare や need の助動詞型は、疑問文や否定文に偏ります。

しかし help は、

Salt helps preserve food.

のように、肯定文でも普通に使います。

だから、今回の問題で出てきた help preserve は、need や dare とは違う特殊性を持っています。

受験生が覚えるべき形

最低限、次の形は押さえておきたいです。

help

help + 動詞の原形

〜するのに役立つ

This medicine helps reduce fever.

この薬は熱を下げるのに役立つ。

dare

How dare you + 動詞の原形?

よくも〜できるな。

How dare you say that?

よくもそんなことが言えるな。

need

need not + 動詞の原形

〜する必要はない。

You need not worry.

心配する必要はない。

今回の並べ替え問題で見るべきこと

今回の問題では、次の語を並べ替える形でした。

been / used / to / help / preserve / food / from / perishing

正しい並びは、

has been used to help preserve food from perishing

です。

全文は次のようになります。

For thousands years salt has been used to help preserve food from perishing.

何千年もの間、塩は食物が腐敗するのを防いで保存するために使われてきた。

ポイントは4つです。

1. has been used

「使われてきた」なので、現在完了の受け身です。

has been used

2. to help preserve

「保存するのに役立つために」なので、次の形になります。

to help preserve

to preserve だけでも意味は近いですが、問題では help を使う必要があります。

3. help preserve food

help の後ろに動詞の原形 preserve が来ます。

これは、

食物を保存するのに役立つ

という意味です。

4. preserve food from perishing

preserve A from B-ing で、

A を B することから守る

A が B しないように保つ

という形です。

今回は、

preserve food from perishing

なので、

食物が腐敗することから守る

食物を腐らないように保存する

という意味になります。

まとめ

原形不定詞は、単に「to がない不定詞」と覚えるだけでは危険です。

特に help は特殊です。

本来、原形不定詞は、

make O do

see O do

のように、

O が do する

という関係が見える形から学ぶ方が分かりやすいです。

しかし、

help do

は、目的語が見えず、意味も「人を助ける」から「〜するのに役立つ」へ薄まっています。

だから、生徒が混乱するのは当然です。

今回の文では、

Salt has been used to help preserve food from perishing.

を、

塩は、食物を保存するのに役立つものとして使われてきた。

と考えるのが自然です。

そして、受験上は次の3つを押さえておくとよいです。

意味
help do 〜するのに役立つ
How dare you do? よくも〜できるな
need not do 〜する必要はない

この3つは、普通の動詞と助動詞の境目にあるような表現です。

だからこそ、丸暗記だけでなく、

  • どこが普通の動詞と違うのか
  • どこが助動詞っぽいのか
  • どこが例外的なのか

を整理しておくと、並べ替え問題や長文読解でかなり強くなります。

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