何回やっても覚えられない原因は?勉強が苦手な子に必要な復習の仕組み

2026.05.24

「何回やっても覚えられない」の原因は、記憶力ではなく“残し方”かもしれません

「昨日やった英単語を、もう忘れている」
「学校ワークを3周したのに、テストになると解けない」
「解説を読んだときは分かったのに、次の日にはまた分からない」

こういう悩みは、記憶力だけの問題ではないかもしれません。

塾で見ていると、こういう悩みはかなり多いです。

ただ、これは必ずしも「記憶力が悪い」から起きているわけではありません。

むしろ多いのは、“覚えたつもり”で終わってしまっているケースです。

大事なのは、何回読んだかではなく、何回“思い出したか”です。

「見たことある」で止まってしまう

勉強が苦手な子ほど、復習が「見る」「読む」「写す」で終わりがちです。

  • 英単語を何回も書く
  • 解説を読む
  • 赤シートで隠す
  • 学校ワークの答えを見直す

もちろん、これらが全部ダメというわけではありません。

ただ、それだけだと頭の中には「見たことがある」という感覚だけが残りやすくなります。

テストで必要なのは、「見たことがある」ではなく、自分で思い出して使えることです。

ここまで行かないと、次の日にまたゼロに戻ったように見えてしまいます。

たとえば、こういう状態です

答えを見たら分かる。
解説を読んだ瞬間は分かる。
でも、自力では出てこない。

これは勉強していないわけではありません。
ただ、まだ「使える記憶」になっていない状態です。

脳は「使った情報」を残しやすい

記憶についての研究では、情報はただ見るだけよりも、思い出したり、使ったりすることで残りやすいと考えられています。

つまり大事なのは、長時間読むことだけではありません。

  • 一度閉じて思い出す
  • 別の問題で使う
  • 自分の言葉で説明する
  • 翌日にもう一度引き出す

こうした「引き出す練習」が必要になります。

ただし、ここで注意が必要です。

勉強が苦手な子にいきなり「説明してみて」「思い出してみて」と言っても、止まってしまうことがあります。

「思い出す」が難しい子もいる

大人から見ると、「昨日やったんだから思い出せるはず」と感じるかもしれません。

でも実際には、次のような状態の子もいます。

  • 何を思い出せばいいか分からない
  • どこを見ればいいか分からない
  • 最初の一歩が出てこない
  • 白紙のまま固まってしまう

この状態で「もっと頑張れ」「ちゃんと覚えなさい」と言っても、なかなか変わりません。

必要なのは、やる気を出させることよりも、できるところまで下げることです。

「頑張れ」ではなく、「動けるサイズまで小さくする」ことを大切にしています。

とだ塾で意識していること

とだ塾では、勉強が苦手な子ほど、いきなり大きな課題を出さないようにしています。

例えば英語なら、最初から「全部覚えよう」「全文を訳そう」とはしません。

  • まず1文だけ読む
  • まず動詞だけ探す
  • まず並び替えだけ解く
  • 昨日やった単語を3秒だけ思い出す
  • 全文ではなく、意味のかたまりで確認する

このように、かなり小さく分けます。

「自分の言葉で説明する」「別の場面で使う」「人に話す」という学習法は、たしかに大事です。

でも、勉強が苦手な子にとっては、その前の段階で止まっていることもあります。

だからまずは、1行だけ説明する、1問だけ似た問題を解く、3秒だけ思い出すくらいまで下げます。

数学でも同じです

数学でも、いきなり「全部解こう」とすると止まる子がいます。

その場合は、問題を解く前に見る場所を絞ります。

  • まず条件に線を引く
  • まず使う公式を1つ選ぶ
  • まず最初の1行だけ書く
  • 前に解いた似た問題を1問だけ見る
  • どこで止まったかを確認する

例えば、二次関数の頂点の公式を何回も読むだけでは、なかなか使えるようになりません。

それよりも、次の日に1回思い出す。グラフを書いてみる。別の問題で使ってみる。

このように、少しずつ「使う場面」を作った方が、記憶は残りやすくなります。

数学でよくある例

「解説を読んだら分かるけど、自分では1行目が書けない」
こういう場合、理解していないというより、最初に見る場所が決まっていないことがあります。

だから、まず条件に線を引く。使う公式を1つ選ぶ。最初の式だけ書く。
そこまで下げて練習することがあります。

補助輪をつけて、少しずつ自力に近づける

「思い出す練習」が大事とはいっても、最初から完全に自力でできる必要はありません。

とだ塾では、必要に応じて、補助輪をつけます。

  • 選択肢を出す
  • 最初の一文字だけ見せる
  • 3択にする
  • 前のページだけ見せる
  • 似た問題を横に置く

これは甘やかしではありません。

いきなり何もない状態で思い出せない子に対して、少しだけ手がかりを出し、頭の中から引き出す経験を積ませるためです。

補助輪つきでも、自分で思い出そうとする回数が増えれば、少しずつ記憶は使える形に近づいていきます。

「読むだけの復習」から「引き出す復習」へ

家庭学習でも、少し工夫するだけで復習の質は変わります。

例えば、英単語を覚えるときに、ずっと単語帳を見るだけで終わらせない。

一度閉じて、次のような確認を入れます。

  • 今見た単語を1つ思い出す
  • 意味を声に出す
  • 例文の中で使ってみる
  • 翌日にもう一度だけ確認する

数学でも、解説を読んだあとにすぐ次へ行くのではなく、

  • 最初の式だけ隠して書いてみる
  • なぜその公式を使うのか言ってみる
  • 似た問題を1問だけ解く

こうした確認を入れるだけでも、読みっぱなしより残りやすくなります。

ポイントは、長時間やることではありません。
短くてもいいので、「見た」ではなく「思い出した」という時間を作ることです。

AIや要約も、使い方を間違えると“分かった気”で終わる

最近はAIで要約したり、解説を読んだりすることも簡単になりました。

もちろん、AIは便利です。

ただ、要約を読むだけで終わると、「分かった気」になってしまうことがあります。

大事なのは、要約を読んだあとに、

  • 何が大事だったか思い出す
  • 自分の問題に置き換える
  • 似た問題で使ってみる

AIは、勉強を代わりにしてくれるものではありません。

ただ、復習の手がかりを作ったり、問題を小さく分けたりする補助には使えます。

やる気より、仕組み

勉強でつまずいている子に対して、「やる気がない」と見えてしまうことがあります。

でも実際には、やる気以前に、次のような状態になっていることも多いです。

  • 何をすればいいか分からない
  • 課題が大きすぎる
  • どこで間違えたか分からない
  • 思い出す練習のやり方を知らない

だからこそ、とだ塾では「気合いで頑張る」よりも、見る場所を絞ること、やることを小さくすること、思い出す回数を増やすことを大切にしています。

できるところまで下げるのは、恥ずかしいことではありません。

むしろ、そこまで下げて初めて、自分で動ける子もいます。

やる気に頼るのではなく、できるところまで下げる。
見る場所を絞る。
思い出す仕組みにする。
これが、とだ塾で大切にしている考え方です。

まとめ

「何回やっても覚えられない」とき、必要なのは勉強量をただ増やすことだけではありません。

大事なのは、次のようなことです。

  • 見て終わらせないこと
  • 思い出す回数を作ること
  • 使える形まで小さく分けること
  • 必要なら補助輪をつけること

とだ塾では、勉強が苦手な子に対して、やる気だけに頼らず、できるところまで下げながら学習を整理しています。

「ワークを何周しても点数につながらない」
「読んだときは分かるのに、テストで出てこない」
「何から復習すればいいか分からない」

そんな場合は、勉強の量より先に、勉強の残し方を見直す必要があるかもしれません。

板宿・須磨周辺で、勉強方法から一緒に整理したい方は、お気軽にご相談ください。

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