絶対値の不等式を3つの考え方で解説|距離・場合分け・グラフで理解する

2026.06.09

絶対値の不等式を3パターンで解く|距離・場合分け・グラフで考える

今回はこちらの不等式を解いていきます。

3 ≦ |x − 2| ≦ 5

今から、3パターンの考え方で見てみましょう。

今回見る3つの考え方

  1. 数直線上の距離で捉える方法
  2. 場合分けで考える方法
  3. グラフで考える方法

まずは、数直線上の距離で捉える方法

そもそも絶対値とは、数直線上の距離を表します。

0から5までの距離は、もちろん5です。

そして、0から−5までの距離も5です。

|5| = 5
|−5| = 5

絶対値は「距離」なので、答えはマイナスにはなりません。

ただ、文字が入ると少しややこしく見えます。 そこで今回は、まず次のように考えます。

|x − 2| は、数直線上で
「x が 2 からどれだけ離れているか」

つまり、

3 ≦ |x − 2| ≦ 5

というのは、

x が 2 から、3以上5以下だけ離れている

という意味になります。

2を中心にして、まず右側を見てみます。

2から3離れると5。
2から5離れると7。

なので、右側の範囲は、

5 ≦ x ≦ 7

となります。

次に左側を見ます。

2から3左に離れると−1。
2から5左に離れると−3。

したがって、左側の範囲は、

−3 ≦ x ≦ −1

となります。

つまり、答えは、

−3 ≦ x ≦ −1,5 ≦ x ≦ 7

これが、数直線上の距離として考える方法です。

次に、場合分けで考える方法

次は、場合分けで考える方法です。

例えば、x が5の場合を考えてみましょう。

|5 − 2| = |3| = 3

この場合は、中身がプラスなので、そのまま3が答えになります。

では、x が0だった場合はどうでしょうか。

|0 − 2| = |−2| = 2

0−2 は −2 ですが、絶対値をつけると答えは2になります。

つまり、x−2 のまま扱ってよい場合と、符号を逆にしなければいけない場合があるということです。

では、その境目はどこでしょうか。

境目は、絶対値の中身が0になるところです。

x − 2 = 0
x = 2

今回は、x = 2 が場合分けの境界線になります。

場合分けすると、次のようになります。

x ≧ 2 のとき、x−2 は0以上なので、

|x − 2| = x − 2

x < 2 のとき、x−2 は負なので、

|x − 2| = −(x − 2) = −x + 2

ここからは、先ほどと同じように

3 ≦ |x − 2| ≦ 5

に当てはめて、不等式を解いていきます。

x ≧ 2 のときは、

3 ≦ x − 2 ≦ 5

両辺に2を足して、

5 ≦ x ≦ 7

となります。

x < 2 のときは、

3 ≦ −x + 2 ≦ 5

ここではマイナスの処理が出てくるので、少し注意が必要です。

解くと、

−3 ≦ x ≦ −1

となります。

よって、場合分けで解いても、答えは同じです。

−3 ≦ x ≦ −1,5 ≦ x ≦ 7

この場合分けは、高校数学の鬼門になりやすいところです。

1つ目の距離で考える方法と比べると、考え方も計算も少し面倒に感じた人もいるかもしれません。

そんなときは、グラフで考える方法を見ると、場合分けの意味が少しわかりやすくなります。

最後に、グラフで考える方法

まずは、

y = x − 2

のグラフを考えてみましょう。

このグラフは直線です。 ただし、x が2より小さいところでは、y の値がマイナスになります。

ここで、絶対値は「すべてプラスで答えなければいけない装置」と考えてみます。

すると、x軸より下にある部分は、そのまま下に置いておくことができません。

x軸より下の部分を、上側に折り返す

これが、絶対値のグラフの大事なイメージです。

少しくだけて言うと、絶対値はジャンプ装置のようなものです。 マイナスの世界にいる部分を、プラスの世界へ強制送還するイメージです。

その結果、

y = |x − 2|

のグラフは、x = 2 を軸にして左右対称なV字型になります。

そして今回は、

3 ≦ |x − 2| ≦ 5

なので、グラフで見るなら、

y = |x − 2| のグラフが、
y = 3 から y = 5 の間にある部分

を探せばよいことになります。

すると、やはり範囲は、

−3 ≦ x ≦ −1,5 ≦ x ≦ 7

となります。

まとめ

今回は、

3 ≦ |x − 2| ≦ 5

という絶対値の不等式を、3つの方法で考えました。

  1. 距離で考える
    |x−2| を「x と 2 の距離」と見る。
  2. 場合分けで考える
    x=2 を境目にして、絶対値の中身がプラスかマイナスかで分ける。
  3. グラフで考える
    y=x−2 の下側を上に折り返して、y=|x−2| のV字型グラフとして見る。

場合分けだけで考えると難しく見えますが、数直線やグラフで見ると、何をしているのかがかなり見えやすくなります。

特に今回のような形は、

中心から、どれくらい離れているか

と考えるのがポイントです。

最終的な答え

−3 ≦ x ≦ −1,5 ≦ x ≦ 7

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